【スクラップ品】藤堂がSSをかけなかった話

名前: @raidy9 / 藤堂雷
タグ: 伺か
公開範囲:公開 閲覧数:113
作成時刻:2015-12-12 11:08:42 更新時刻:2017-11-04 06:59:26
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ごきげんよう。失敗作の公開という読者を困惑させるようなことをしてすまない。
だが無意味に気合いを入れて書いてたので未練があるんだ、すまない。
タダとはいえ、完結していない話をみせられてもつまらないと思うので、申し訳程度に「反省会」という形で、かつしょうもないツッコミや言い訳を交えた「がっかり系ギャグ」のノリでやっていくよ。この失敗作が何かの参考になるはずもないけどこの世界にはゴミから芸術作品を作る人もいるので有用無用は藤堂は判断しない。



SSのコンセプト
2017年4月1日の厨二SSの本編が作りたかった

シナリオの枠
第二生徒会の中に裏切り者がいる、見つけて退治する

たったこの2行でSSを書こうとしたバカの記録。






以下の凡例
記号なし 小説部分
# 藤堂のツッコミ




◇メイキング編◇

枝島:えー、界隈で厨二ものが流行っている流れに乗って、僕のあの厨二映画の本編を制作する流れが発生した模様です。
黒森:あれをどうまともにするのかプロットを決めてから相談しろ。
枝島:ご用意していますので聞いてください。
#ちなみにこの段階でプロットなんてありませんでした。

あの能力は、魂に刻まれた羅針盤であり呪いである”カルマ”を具現化する能力であるというのを後付けします。
それは魂による物質界への干渉能力を、自身の肉体という範囲を超えるほどに強化することで発現するという設定です。
そしてその”カルマ”の力を多くの人に拡散することで世界を救済し(混乱させ)ようとしているのが悪役である「枝島君」ということにしてください。

ちなみに原作映画にて図書委員さんが拾ったブローチには、干渉能力を異常強化させる働きのある何かを宿主に放出する”宿り木”の種が入っていて、それが発芽し能力を得る人もいる、という裏設定を今用意しました(能力を得る方法は人それぞれ)

比田:最初っからそんなネタバレしていいの?
枝島:プレゼンでネタバレ配慮なんかしてどうするんですか。
黒森:「魂に刻まれた羅針盤であり呪い」の下りがよくわからん
枝島:要約すると「記憶とか経験とか考え方や感じ方の癖とかトラウマとか血統とか、それらによって辿りやすくなった運命」をひっくるめた概念とお考えください。
シナリオ進行としては、今回も「大きな流れの中の1シーン」という形で撮りますので、今回の悪役はラスボスである枝島君ではなく、第二生徒会の仲間が裏切り悪さをしたっていう流れでお願いします。
で、今回も「生徒会っぽい雰囲気」を作るため副会長さんの出演と生徒会室での撮影をお願いする予定なので比田さん、折衝よろしくお願いしますね。
比田:いやーーーーー!!!! また僕の背骨が犠牲になっちゃう!!!!
熊野:ところで今回の脚本は、僕がダブクロをするつもりで書いたものを元にしているから、いつも通り鈴鹿が出るんだ。
枝島:ここはまあ……国分さんに代役お願いします
国分:俺?! いいけど25で学生ブレザーはちょっと……
枝島:何をおっしゃるんですか。高校は大学と同じ「高等教育」です。生徒は必ずしも15~18歳であるとは限りません。中卒か高校中退の人であれば何歳だろうが「高校生」にはなれるのですよ。宮追さんだってダブってるから19歳です。
国分:お、おう……。先生役にしてくれてもいいと思うけどそこまで言うならもう生徒でいいよ。やおいちゃんとかゾンビ組とかは出ないんだね?
枝島:「総出演」との声もあったのですが、役者が増えすぎると管理が大変ですしこの会議にいるメンバーでお願いします。
熊野:僕は助監督だから画面には出ないのでよろしく(カメラ目線)
副長:失礼する。「厨二映画制作会議」の部屋はこちらでよろしいだろうか
比田:きゃあああああ出たああああ!!
副長:自分で呼び出しておいて叫ぶとは何事だ。
枝島:いらっしゃい副会長。会議のログはこちらにまとめているので後ほどご覧ください。

黒森:キャラクター設定について伺いたいのだが。
枝島:どうぞ


主人公 黒森
地位 なし
カルマ【棺の鈴】
能力 動いているものを自分の元に引き寄せる

黒森:俺は死んだはずでは?
枝島:図書委員さんを動かすのはいろいろな配慮がしんどいので、黒森さんの代わりに図書委員さんの方に死んでいただくことにしました。なので映画の主人公は黒森さんですよ。
比田:図書委員が死んだ!
黒森:このっ、人でなし-! ……一度言ってみたかった。
枝島:いつも言われる側でしたからね。キャラクター紹介はOPテーマに合わせてこのように表示させます。

人物1 比田
地位 生徒会総務
カルマ【名家の犬】
能力 金色の鎖を生成し操る

人物2 バリー
地位 生徒会備品管理
カルマ【蛍火の柄杓】
能力 発光体を7つまで生成する。発光体は通信・偵察等いろいろ使える。

人物2 副会長
地位 生徒会副会長
カルマ【粛清の天使】
能力 刃物に炎を付与する

黒森:まさかとは思うが俺の能力……囮か?! 俺は結局死ぬのか?!
比田:なるほど、黒さんが敵の攻撃を引き寄せているうちに僕らが攻撃するんだね。
枝島:「動くもの」全てですから、比田さんの攻撃も引っ張られますよ。
比田:……は?
国分:引き寄せる対象は選べないの?
枝島:ブラックホールのような範囲効果とお考えください。止まっているものは引き寄せません。
比田:あんまり使えない……。
枝島:全ての能力が便利だなんて甘っちょろいことしませんよ。むしろ「ゴミだと思っていたキャラが、ここ一番で力を発揮し、散っていく」というのもまた厨二ものの醍醐味だと思うのです。
黒森:散るのか……。
副長:敵の群れを川や地雷原に誘導したり、ヘリを墜落させたり、黒森君をわざと捕らえさせ敵の要塞に送り込んだ後我々が撃ったミサイルを全て当たるよう引き寄せてもらうという戦略などが考えられるな。
黒森:作成が俺を犠牲にすること前提で練られている!!
枝島:さすが異世界で戦争をしてきた方は発想が違いますね。黒森さんの活用方法は宿題ですよ。

枝島:……という流れを全部作中で説明する厨二文学って大変ですねえ!!
黒森:説明台詞も辞さない構えじゃないと難しいな。
枝島:というわけで次回から本編ですよ。


#この段階で、マジであれだけの設定しかない。
#TRPG用のシナリオを下敷きにしているような記述もありますが藤堂卓において「インチキリプレイ」はシナリオすら組まずに非実在PLを相手に回しているとき、「テストプレイ」はシナリオを組んだ後に非実在PLで回しているときを指します。お察しください。




◇本編◇



前回のあらすじ

 俺は黒森。平和に図書室を占領する善良な図書廃だった。しかし図書室に見慣れない奴が現れたその日、少し目を離している間に図書委員が謎の木の化け物に襲われてしまった。突如現れた「第二生徒会」を名乗る2人によって化け物は退治されたのだが……図書委員は助からず、そして俺もまた「化け物の種」を体に宿し、魂の力”カルマ”を操る人間となったのだった。

「Dark eyes ー裏切りの音ー」


 俺は第二生徒会に所属しているようなしていないような、微妙な立ち位置に置かれることになった。力を得たことで拘束されたり実験されたりするのではないかとおびえていたのだが「魂が体を動かす力自体は誰でも持っている」「子どもか、もしくは重度のオカルトマニアでもないかぎり、超能力など誰も信じない」とのこと。思ったより雑だ。助かるが。俺は図書委員のいない図書室で窓の外で羽ばたいている蝶を眺め、脳の奥で意識の収束と拡散を同時にしているような感覚を呼び覚ます。すると蝶は混乱し暴れながらも開いた窓から部屋へと舞い込んできた。
「……だから何だ、という話だが」
 蝶を解放し、未だに血の滲むカーペットに目を移す。謎のブローチに触れた俺と図書委員は、そこに仕込まれていた”種”に寄生された。どういうわけか俺の種の成長は止まり、図書委員の種は成体となり宿主を食い殺した。なぜだ、その問いに彼らは答えてくれなかった。
「運じゃない?」
「我々も君たちが襲われた宿り木についてはよくわかっていない」
#藤堂もわかっていません
 思い出して憤慨し、消しゴムを投げた。所詮奴らは力が使えるだけの集まりで、何の役にも立ちやしない。読もうと思って持ってくる本も、結局開くことなく机の上に積んでいる。
「図書委員のくせに」
 図書室に来ない図書委員なんか、何の価値もない。職務怠慢もはなはだしい。お前なんか、仕事しないならなんの用事もないんだ。環境は静かなのに、心が泡立って騒々しい。本に集中できないからしかたなく腕を枕にして、机に伏せようとした。
「黒森ー」
 あ、邪魔。物理的に騒々しい男が扉を開けた。
「黒森-! あそぼーぜー」
「お断り」
 なんだっけこいつの名前。狂人の悪夢を具現化したような気持ち悪いを通り越して不気味な顔はその晩うなされるほど印象に残るのだが、名前は覚えていない。
「ずっと独りで寂しくないか?」
「邪魔者がいるよりマシ」
「ボードゲーム持ってきたんだ、生徒会室で遊ぼう」
「嫌だ」
 どこから取り出したのかよくわからないゲームのセットがぽんぽこ積まれるが、どれにも興味がわかない。本にすら手が付けられないのに、人間を相手にするゲームなんかできるはずがない。机の天板に目を落とし、悪夢の皮を被った人間が立ち去るのを無言で待つ。1分、2分、動きがない。目を上げると、彼はただそこにいた。
「何をしている」
「君が何を望むか考えていて」
「去れ」
「何かしたいんだ、そうじゃなきゃ」
 奴の声に涙がにじむ。何故お前が泣く。だからこういうタイプの人間は嫌いだ。独りぼっちがいたら仲間に誘わなければ、転んだ人がいたら背負わなければ、泣いている人がいたら励まさなければ、そんな風に考える奴。放っておいてくれればそれでいいのに。
「消しゴム」
 先ほど投げて床に転がったままになっている消しゴムを指差す。彼はそれを拾って俺に差し出した。
「ありがとう。これでいい」
「この他には」
 望みはすでに伝えているはずだが。
「図書委員は、仕事のないこの図書室に毎日仕事をしにきていた」
「仕事がないのに仕事をしていたの?」
「俺がお前に望むことは何もない」
 しばらくポカンとしていたが、奴は首をひねって言った。
「つまり”自分で仕事を作れ”って?」
 いや普通に”帰れ、アホ”って言った。

 俺は「第二生徒会」に対する興味はみじんもない。むしろ関わりたくない。しかしたまに呼び出され、何かいろいろ聞かれる。あの悪夢人間なら無視もできるのだが、怖い副会長の呼び出しには逆らえない。まず存在が怖い。そしてあの比田をたまに捕獲しボコボコにしている。怖い。目が怖い。直視したらきっと殺される。俺はソファーに座らされ、その視線に耐えている。
「今のところ、無事なようだな。しかし芽がいつ成長するかわからない。少しでも体に違和感を覚えたらすぐに我々に報告すること。いいな」
「はい」
 ここで嫌ですと言ったらきっと首が胴から攫われる。
「……寒いのか?」
 怖いです。比田が部屋の奥からひょいと顔を出す。
「大丈夫、この人は悪いことしなかったら噛まない。ナマハゲとかシーサーとかそのへんだと思えばいいよ」
「おいおい」
 比田とトランプをしていたと思われる悪夢男……国分が比田に言う。
「女の子にナマハゲって言うのは酷いんじゃないの?」
「でも実際そうだもん、僕が受けている蛮行はナマハゲを上回るって説もあるよ」
 目の前の怖い人はその会話に口を挟むことなく、俺に退室してよいとの旨を告げると自身の副会長机へと向かった。国分はカードの束をまとめながら彼女にウインクを飛ばす。
「キリちゃんだって、笑うと可愛いと思うよ」
「そうかい」
 言われた方は眉ひとつ動かさず流した。興味がないのか、慣れているのか、聞き飽きているのかは彼らとの付き合いが浅い俺にはわからない。だが国分はというと少ししょんぼりしたように口をとがらせていた。

#以下の保健室のくだりは、最後の国分論破シーンにて論破しようとして後から挿入したもの。


 保健室は図書室の次に俺と縁の深い部屋であると言っていい。今日もまた貧血で倒れた。何故だ。
「いや、何故と言われても。むしろ僕が聞きたい」
 保健委員があきれ顔で俺を見下ろしている。
「しかし、黒森も強くなったようでなにより。そろそろ風邪が流行りだしたようでな、さっき宮追が熱を出して早退した」
「宮追……ああ、あの眼鏡の保健委員か。そういえば木曜日の当番はあいつだったな。熊野はその代理か。おつかれ」
「保健委員のシフトを知っているレベルの常連であることを由々しい事態と思った方がいい」
「思ったところで体が強くなるわけでもなし」
 熊野が保健委員ファイルに何事かを書きこんでいる。
「いつもの調子なら5分ほど横になったら動けるようになるな。昼休みはまだ始まったところ、次の授業の先生に連絡するほどでもないだろう。治ったらさっさと出て行っていいぞ」
「こんな無慈悲で雑な保健委員がいていいのだろうか。いやよくない」
 熊野は無視する。まあ、保健委員たちの俺に対する態度はみんな同じようなものだが。ベッドの上で上体を起こしてみる。休んだおかげでふらつくことはなくなったので、仰せの通りさっさと起きて図書室へと向かった。

 図書室には国分が先に来ていた。
「君と仲良くなりたいと思って」
「お断り」
 ふいに目の前が明るくなった。顔を上げると、謎の発光体が宙に浮かんでいる。
「これ、俺の力。夜だともっと綺麗に光る」
 本人の口と発光体から声が聞こえる。
「この物体と視覚、聴覚が共有でき、通信もできる、しかもこいつは光るし7つまで作れる、便利だろ?」
「夜の読書は捗りそうだな」
 適当な感想を投げつけると俺はいつもの指定席に座った。指定席にはすでに本を積んである。
「第二生徒会はさ、すごい仲良しってわけじゃないけど、愉快な奴らがみんな愉快でさ、比田はあの通りのお菓子屋さんで、副会長は……カッコいいんだ」
「ふうん」
 手元の本のページをめくる。やれやれ、ついに本能寺の変が始まってしまうのか。この作者が描く織田信長は独特だが格好いい。万民受けするとは思わないが、少なくとも俺は好きだ。
「俺の役職は備品管理、学校中で必要とされてるもの、足りないって言われるものを生徒会のお金で買って、配る。あと生徒会が所有する物品をメンテしたり管理したりするんだ」
 とはいえ、信長と仲良くなりたいかと言われたらNOだ。怖い人は嫌いだ。暴力を振るう人はもっと嫌だ。仲良くなるなら利休だな。穏やかで、美味しいお茶を入れてくれるなんて最高だ。引きこもりライフが捗る。
「黒森は怖がっていたけど、キリちゃんは本当はそこまで怖くないんだよ。君の前だから真面目な顔をしていたってだけで、気合いが抜けているときはもっとぼんやりしてる。カッコいい時もいいけど、抜けてるときは可愛いんだ」
 信長を読み終わったらどうしようか。日本史コーナーのめぼしい本はだいたい漁り尽くしてしまったし、次は世界史にでも手を伸ばそうか。光はほのかに緑がかっていてまるで蛍火のようだ。読書に適しているとは言い難いが、勝手に浮いている点が便利だ。場所を選ばない。
 ジジジジ……と、発光体が妙な音を立てる。
「これは、もしかして、宮追ちゃん?」
 国分が弾かれたように姿勢を変えると、図書室を飛び出す。残された発光体がラジオのように喋り出す。
「副会長! 比田! 種が発芽したみたいだ、早く、保健室で!」
「そうか、いくぞ」
 あ、一気に邪魔になったなこれ。ミュートにできないのだろうか。ボタンとかないのだろうか。
「熊野!? どうして、お前、なんで?!」
「とはいえ、怪物化する前でよかった。国分、お前の力のおかげで今日も早期発見できた」
「それ本当に便利だねー」
「……そう? へへ、副会長、俺役に立ったでしょ、もっと褒めて!」
 なんかこの発光体の向こうで連中がわいわいやっているらしい。俺にとってはどうでもいいが。どうでもいいのだが……何か、何かが頭の中でぼんやりと燻っていた。

#ここまで書いた後にようやく「いつ物語が始まるんだ?!」と焦り始め、そして次の比田視点にて「種が異様に現れはじめておかしい」という事件提示を用意する。

φ*   φ*   φ*   φ*

 ぼんやりと何かが燻っていた。化け物の”種”は成体となるまでに除去することができた。それはいい。しかしそれにしてもやけに数が多い。
「宿り木、今回ので8件目か」
 図書委員の事件は1件目、死人の出た苦いケースだ。それ以降はどれも安全に処理できている。国分が知らせてくれるから。
「種はなぜ蒔かれる?」
 僕は誰もいない生徒会室にて購買で買ったシュークリームを賞味しながらぼんやりと考える。作物は収穫されるために蒔かれる。しかし、この”種”によって生まれるのは怪物。それも科学の範疇を超えた力を持って暴れる迷惑な存在でしかない。黒森のような例外はいるが、種を植えられた10人のうち化け物にならなかったのは黒森1人だ。
「種を蒔きまわって、何の得があるんだろう」
 僕の頭脳は優秀だが、考え事はめんどくさい。
「面倒事は下請けに回すに限る」
 行き先は決まっていた。

「お断りだ」
 本をバターンと閉じて彼はそう言った。ちなみに僕は請けるかどうかなんて問うてない。「引き受けるんだよ、いいね?」だから彼に選択権はない。彼は何か勘違いをしている。
「俺はもうお前らと関わる気などない。そもそも群れ集うなど論外だ。俺に平穏な生活を返せ」
「僕は君の平穏をもらってない。あげると言われてもいらないかな」
 確かに世の中には人を困らせて楽しむという趣味をお持ちの人もいるけど、僕は興味ないかな。
「だいたい、ほぼ部外者である俺に何を求めているんだ。俺はその方面は何も知らない」
「教えてくれと言ったら教えてあげないわけじゃないよ」
「それが人に知恵を借りる態度か」
「誰も借りるって言ってないじゃん。考えろって言ってるの」
「俺が寛大で慈悲深く辛抱強い人間であったことを心から喜べ」
 生徒会室では叱られる行為も図書室なら許される。机の上に腰かけて黒森を見下ろした。黒森は閉じた本を机に置いた。
「俺は化け物が生まれるプロセスだの、その”種”のことも何も知らない。それこそタンポポの綿毛のように、自然界で発生しどこからでも飛んでくるのなら考えるだけ無駄だ」
「人工物だよ」
 魂が物質界に干渉する力の存在は、フランシス・ベーコンの心身二元論によって発見された。世間では19世紀末のESPブーム、20世紀終了と共におきたオカルトムードでしか触れられないが、魂とそれによって操られる肉体との関係は裏舞台でずっと研究され続けていた。
「その研究成果の試作品、僕らに言わせれば失敗作のひとつが、今話題の”宿り木”。魂の物質界への干渉力と範囲を無理やり増幅させるもの。僕たちは種とか木とかいうけど、別にそこらへんにある植物ではないし生命体でもない……と思うよ。それっぽく見えるからそう呼んでいるだけで」
「ブローチに触れた者だけが発症するのか、それは」
 黒森はどうでもよさそうに鼻を鳴らした。
「なら話は早い。そういうことを知っている奴を叩けばいいだけの話。普通の人間は俺のように、知識はゼロ。内部犯、それもかなり数が限られている。総当たりしたって問題ないくらいだ。とはいえ、総当たりは美しくないな。俺の予想が正しければ」
 闇色の髪が揺れる。常に陰気な瞳の奥に、微かな怒りの欠片が覗いた。
「あのブローチ、私物化されているぞ」

#上記の設定は全部このシーンにて後付けされたもの。おかげで矛盾や疑問点が出まくる出まくる。読まれたみなさんの脳内に疑問が出まくっているとは思いますが、藤堂も大量にわからなさを抱えているのでつっこまないでください。
#全部資料なしで書いてるのでオカルト厨のみなさんはキレてくださっていいです。
#主人公の黒森が何もしないというのは何だしせめて推理くらいはさせようかと思った結果「黒森よりも賢く、かつ情報を持っている比田が素人目でも2択に絞られた犯人がわからない」という、非常にアレすぎて笑えないシーンができました。探偵ものやリアル系ホラーでおなじみの無能警察もびっくり。
#なぜミステリー物が吹雪を起こしたり電話線を切ったり孤島で嵐をおこしたりと、無茶な手を使ってでも執拗に隔離環境を作りたがるかがわかりましたね。外部犯の可能性が一片でもあると推理する意味がなくなる。
φ*   φ*   φ*   φ*

 闇夜に満たされた校庭に足を踏み入れた彼の背後で、校門が金色の鎖で封鎖される。
「生徒会備品管理係、副会長はブローチの廃棄を命じたはず。廃棄っていうのはね、備品台帳から名を消せという意味じゃない。この世から無くせというんだ。ポケットに入れるのは命令違反だよ」
 比田の金色に輝く瞳が国分を睨んでいる。手の平から伸びる鎖はこの物質界のものではないことを、微かな生き物の尾のような揺らめきによって示していた。国分は視線を受けて困ったように笑うと、彼もまた蛍火を7つ、亡霊の道連れのように自身の周りに侍らせる。
「あのブローチがこの世に、この学校にひとつしかないって、なんで言いきれるの? 実は市販されてるかもしれないじゃん」
 光に照らされる2人とは対照的に、闇の中から語る者がある。
「市販されているかどうかは俺にはわからない。だが人工物である以上、人の意思が介在しなければ動かないんだ、それは。たしかにこの世に1つしかないという仮定は乱暴かもしれない。しかし、図書委員が触れたことのあるものはひとつしかない」
「へえ、指紋鑑定でもするつもりなの? でもねえ、出せと言われても出せないよ。俺は横領なんかしてないもの」
 発光体のひとつがふらふらと飛び、闇の中で座り込んでいる黒森の輪郭を照らす。
「残念ながら記録されていない音声に証拠としての価値はない。だが俺は知っている。お前があらかじめ種が蒔かれる場所を知っていたことを。そして、自分の親友を危険にさらすつもりがなかったことを」
 黒森は国分を睨む。
「”宮追”が無事でよかったな?」
 国分は少しの間きょとんとしたが、やがて意図を察し笑った。
「そうだね。俺はもしかしたらそう言ったかもしれない。しかし言っていないかもしれない。そんな証拠じゃあ脅迫することもできないよ」
 黒森は立ちあがり、そしてニヤリと顔を歪めた。
「いやはや、本当に幸運だったらしいな、私は」
 そう言うと彼はいきなりケタケタと笑った。その様を見て国分だけでなく、比田も同じように息をのんだ。
「死ぬかもしれないって賭けに勝った上に、こんな便利な力を得るとはな! これで男子トイレが合法的に覗き放題だ! とはいえ殺されかけたことに変わりはない。とんでもねえ忘れ物をしてくれた国分君には、全裸土下座はしていただくぜ」
 下品に歪められた黒森の顔がどろりと溶け落ち、その下から女の顔が現れる。

#この時点で攻略不可能が決定する。この段階でいよいよわからないレベルがピークに達する
#・被害者が触ったブローチを国分がどう回収しているかがわからない
#・藤堂の脳内に「種」が「物理的に存在している」説と、「触ることで何らかの状態に感染する」説が並列して存在していた。
#・怪物化する前に助かった人がどういう状態なのか全く考えていなかった(藤堂の一部では死んでいるという説も浮上していたレベル)
#・というかどうやって助けているのかがわからない
#・「宮追をブローチを置いていった犯人を見た唯一の生存者」としようと思ったけど「発芽する前に助かったならそいつ生きてる」っていう話になり、じゃあ大量にいる生存者はみんな見てるはずじゃね?ってなって詰んだ。

#このシーンはマジで「どうやって論破したらいいんだ」と藤堂自身が探偵役になって必死に攻略を考えていました。思いついた攻略法が、かたっぱしから藤堂自身の詰めの甘い設定によって瓦解していく様は痛快すぎて死にそうでした。

#ここで物語は終わっている



□反省点□
設定提示は「こういうルールに従って話を進めて完結させるよ!」っていう作者と読者のお約束。
TRPGにおけるルルブにあたるから、ないと結局話を進める作者自身の首を絞める。

「無駄に推理要素で話をまとめようとしたからこうなったのでは?」という意見もあるけど、いちおう「種をまいている犯人を探す」というコンセプトが無駄に生きていたのでこうなった。

あとなんかもう一点あったはずだけど寝たら忘れてしまった。以上。
 

「資料探し嫌だー」となるけど、資料があるってありがたいことだな。っていうそこに集約されるね。とっぴんぱらりのぷう。

参照元

お返事

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@raidy9
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藤堂雷@旅先
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