太陽と狼

名前: @raidy9 / 藤堂雷
タグ: 伺か
公開範囲:公開 閲覧数:137
作成時刻:2016-10-05 18:02:08 更新時刻:2016-10-05 18:13:14
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司書×¥0のような表現がありますが、実際には¥0→司書の一方通行です。
わいせつな表現があります。
グロい表現があります。
ただし司書さんと¥0の性別は決まっていませんので、
BL・NL・百合はご自由に設定できます。

司書設定
一人称:私
二人称:あなた

¥0設定
一人称:私
二人称:あなた
地の分:標準語
会話文:関西弁







太陽と狼






「司書さん」
 何故か私はいつもの図書館にいて、貸出カウンターの前に立っていた。いつどうやってここに来たのか覚えていないが、私は司書さんに会えた喜びで浮き立っていた。司書さんはいつものように横柄に椅子に座り、私を見上げている。私が何事か話しかけようとしたとき、不意に司書さんがカウンターを飛び越えた。そしてその勢いのまま私を押し倒した。
「何を?!」
 司書さんはいつも私が巻いているストールを引きはがすと、首に口づけた。何が起きているかわからない、しかしこれはまずいのではと慌てて周囲を見回した。しかし抵抗も虚しく上着を胸までめくられ、露出した肌をなでられる。その行為を許してはいけないのに、わかっているのに背骨を伝う痺れに似た歓びがわき上がるのを押さえられない。この蛮行をやめさせようとする気持ちの下で、これから相手が自分にするつもりであろう行為への期待が募って。密かに日ごろから空想し、何度も思い描いていた穢れたファンタジーが始まろうとしている。しかも、自分には何の非もない形で。このまま何もできない哀れな被害者として手を緩めれば、ずっと望んでいた時間が手に入ってしまう。しかしその手を振り払うことはきっと誰にとっても難しいだろう。私もまた、あたかも恐怖に竦んで動けなくなったかのように、そっと全身の力を抜いた。
 2人の口を重ねる。巧妙に舌を吸い出され、舌根を撫でられる。滴る唾液を舐めて司書さんは笑った。
「いいお味ですね」
 不意に恥ずかしくなって顔をそむけた。それから首に、鎖骨に、胸にと体中にキスを受ける。口から皮膚に恍惚が溶けだし、全身を貫き脳を融かしていく。細く狭い場所も少しずつ指でかき回される。与えられる快感が頂点に達し、司書さんの手を掴み懇願した。
「苦しい、ちょうだい」
 その言葉にニヤリと笑うと、急に指が引き抜かれた。そして、勢いよく箇所に突きこまれた。体の中を硬く熱いものが滑る感触しか感じられない。他のことは考えられないし感知できない。何度も何度も擦られ、突かれ、そのたびに声が喉で絡まり、息が乱れる。
「もう、しんで、しまう」
 体がビクリと震え、やがて意識が途切れた。

 次に意識が戻ったときには、自室の布団の上にいた。眼鏡は机の上にきちんと乗っていて、服は部屋着で、下半身には何の痕跡もなく今まで通り純潔だった。愛しい人だと思っていたのは丸まった掛け布団で、そのせいで露出していた足が若干寒い。甘美な夢からいきなり現実に引き戻され、非常にがっかりした。
「寝よう」
 布団を整えて、再び同じ夢に落ちることを願った。しかし、私は起き上がった。
「……もうこんな時間やん」
 図書館が開く時間だ。わくわくしながら眼鏡に手を伸ばした。

 本物の司書さんはというと、襲ってくれるどころかそもそも私に興味がない。カウンターの向こうで横柄に座っている点は同じだが、パソコン画面を眺めているだけで私を見上げてなんかいない。
「司書さん」
 呼んでも片手を上げて「不本意ながら存在を認知してやっている」と合図してくれるだけ。これが来館者に対する司書の態度だろうか。
「昨日な、司書さんの出てくる夢を見たんよ」
 ふうんとつまらなそうに流された。
「どんなんか気にならへんの?」
 口が裂けても観た内容を正直に話すことはできないが、少しくらい興味を持ってもらいたかった。
「どうせロクでもない内容でしょうよ」
 内容がロクでもないのは本当だが、あまりにそっけない。
 どうしたらあなたの気が引けるのだろう、どうしたらあなたに振りむいてもらえるのだろう、どうしたらあなたに近づけるのだろう、カウンターの外で私はいつもそのことばかり考えているのに。あなたは私を見てくれない。あなたは伸ばした私の手を払いのけようとする。
「司書さん」
 カウンターは腰ほどの高さしかないのに、手を伸ばせばすぐ届くのに、私はあなたに触れられない、幻想の中でしか触れない。それが、とても悔しい。




* * * *




「あなたは」
 何故か私は勤務先の図書館にいて、貸出カウンターの中に立っていた。いつどうやってここに来たのかは覚えていないが、私はいつもの眼鏡を前にして固唾をのんでいた。奴はいつものようにカウンターに身を乗り出して、私を見下ろしている。私が何事か話しかけようとしたとき、不意に奴はカウンターを飛び越えた。そしてその勢いのまま私を押し倒した。
「何を?!」
 奴は振りあげたナイフを私の首に突きつけた。何が起きているかわからない、しかしこれはまずいのではと慌てて周囲を見回した。しかし抵抗も虚しく上着を胸までめくられ、露出した肌をなでられる。その行為を許してはいけないのに、わかっているのに背骨を伝う麻痺に似た恐怖が湧きあがるのを押さえられない。この蛮行をやめさせようとする気持ちの下で、これから相手が自分にするつもりであろう行為への不安が募っていく。密かに日ごろから空想し、何度も思い描いていたおぞましいファンタジーが始まろうとしている。しかも、自分に一端の非がある形で。このまま何もできない哀れな被害者として手を緩めれば、ずっと怯えていた瞬間が実現してしまう。しかしその手を振り払うことはきっと誰にとっても難しいだろう。私もまた、恐怖に竦んで動けなくなり、全身の力が抜けてしまった。
 2人の口が重なる。巧妙に舌を吸い出され、舌根から噛み切られる。滴る血液を舐めて奴は笑った。
「いいお味ですね」
 信じられず顔を凝視した。それから首に、鎖骨に、胸にと体中を噛まれる。傷口から皮膚に血が滴り、全身を痛みが貫き脳を焦がしていく。胸に開いた傷口の一つを少しずつ指でかき回される。与えられる苦痛が頂点に達し、奴の手を掴み懇願した。
「苦しい、殺して」
 その言葉にニヤリと笑うと、急に指が引き抜かれた。そして、勢いよくナイフを突きこまれた。体の中を硬く冷たいものが滑る感触しか感じられない。他のことは考えられないし感知できない。何度も何度も切られ、突かれ、そのたびに声が喉で絡まり、息が乱れる。
「もう、しんで、しまう」
 体がビクリと震え、やがて意識が途切れた。

 次に意識が戻ったときには、自室の布団の上にいた。エプロンはハンガーにかかっていて、服は部屋着で、胸には何の痕跡もなく今まで通り健康だった。殺人鬼だと思っていたのは顔に覆いかぶさっていた掛け布団で、そのせいで露出していた足が若干寒い。身の竦む夢からいきなり現実に引き戻され、微かにほっとした。
「寝よう」
 布団を整えて、再び同じ夢に落ちないことを願った。しかし、私は起き上がった。
「……もうこんな時間じゃないですか」
 出勤時間だ。仕方なしにエプロンに手を伸ばした。

 本物の奴はというと、襲いかかってこない点を除けば夢と大差ない。カウンターに身を乗り出し、私を穴があくほど凝視してくる。
「司書さん」
 呼ばれても片手を上げて「不本意ながら存在を認知してやっている」と合図するのが精いっぱいだ。わかってはいるが、とても奴を視界にいれる心の余裕はなかった。
「昨日な、司書さんの出てくる夢を見たんよ」
 なぜ今日その話をする。
「どんなんか気にならへんの?」
 もしかしたら有名な殺人鬼のように、夢を操り夢の中で私を殺しに来たとでもいうのか。いや、それこそ「夢を見過ぎ」な発想だろうか。
「どうせロクでもない内容でしょうよ」
 奴は間違いなく現実にしようとしているはずだ、今はチャンスをうかがっているだけで。
 どうしたらあなたの気をそらせるのだろう、どうしたらあなたは見逃してくれるのだろう、どうしたらあなたを遠ざけられるのだろう、カウンターの中で私はいつもそのことばかりを考えているのに。あなたは私を見続けている。あなたの伸ばす手が恐ろしい。
「司書さん」
 カウンターは腰ほどの高さしかない、手を伸ばされたらすぐに届いてしまう、あなたは私に触れようとする、幻想の中でも現実でも。それが、とても怖い。






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@raidy9
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藤堂雷@旅先
伺かデベだよ。 軽率に人を殺すタイプの人間だから発言には死体と臓器と、あとBLなどもホイホイ出てくるよ、フォローボタンは覚悟を決めてから押せ。アイコンの藤堂君は留め金さん@sugar_14gに描いていただきました。

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